鱈を窓にして読む西欧近代史
鱈の本というよりは、鱈を中心とした北大西洋漁業史の本。 ただし、その政治社会的背景まできちんと目配りがされています。 鱈自体のことについても、いろんな角度から描かれてます。 淡々とした語り口のため、読みやすくまとまっているけど、 もう少しマニアに攻めて欲しかったかなと思いました。 だから、少し辛口かなと思いますが、私的には星三つ。 歴史好きな人なら星四つをつけるでしょうね。
お腹が減りました・・
鱈という魚は、歴史上重要な働きをしたようです。ニシンとオランダの関係は、そういう表題の本がありましたが、今度は鱈か・・。 ヴァイキングが長期間航海できたのは、干し鱈のおかげ・・? イギリスは鱈漁場に近い点で有利だったが、塩を産しなかった。そこで、甘塩を開発し、その味がヒットにつながった・・・?魚を中心にヨーロッパ史が回転し、愉快です。 こんな史料、読んでいて楽しいですね。 「塩ダラはマスタード・ソース、または熱く溶かしたバターをかけて食べる(1375年)」
単なる魚の本ではない
この本を読むと、鱈という魚こそが北大西洋の歴史の鍵を握っていた事が分かる。 中世以来、バスク人はニューファンドランド(カナダ)沖の鱈を秘密の資金源とし、イギリスはハンザ同盟とアイスランド沖の鱈を巡って争い、ニューイングランドへの最初の植民者は鱈漁を頼みに大西洋を渡った。そしてニューイングランドの経済が離陸したのも正にこの魚のおかげだった。20世紀に入ってもイギリス・アイスランド、アメリカ・カナダの対立の火種となっている。 筆者は、鱈に北大西洋の歴史を語らせているが、「鱈という漁獲資源が枯渇してしまった」という現状にも問題意識を向けている。歴史、環境問題という、どちらかというと堅いテーマを、鱈の生態、鱈漁の漁法、料理法などを織り交ぜながら読みやすくまとめている。
飛鳥新社
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