中国ビジネス初心者から上級者まで、
ちまたに氾濫する中国ビジネスものとはひと味違ったテイストの作品だと思います。本書は小説の形を取りながら、実際のスキームづくりまで完結しているので初心者は勿論、上級者の方でも参考になる部分が多々あるのではと思います。主人公があまりにも典型的な日本人タイプで、絶対に将来はだまされるぞと、自分の経験も踏まえて心配になりました。続編を期待する濃い内容です。ただ、中国関連の法務は頻繁に変化するので、本書が完璧ではないこと付け加えます。弊社の社員の中国人スタッフが言った”中国人は法に触れなければビジネス上何をやっても良いと思ってる”
という言葉を中国ビジネスをやる上で是非参考にしていただければと思います。私も武士の情けで何回も返り討ちにあいました。中国進出のフローを学びたい方にはぴったりだと思います。また、経済小説ファンの方にも十分満足してもらえる内容ではと感じました。
中国ビジネスを異文化と見るかどうか
信州の中小下請け自動車部品メーカーが、系列親会社の中国進出に伴って進出を決断をし現地生産工場を立ち上るまでの過程を、小説風に纏めながら、「如何に、日本企業が、中国市場への進出を成功させるか」を、コンサルタントの立場から、その段階ごとにポイントを分析検討し懇切丁寧に指南したのがこの本。商業高校や大学教養課程の経営学初歩チャイナ・リスク管理のテキストとして素晴らしいと思う。 ドラッカーが、日本は一番経済のグローバル化に遅れた国であると言っているように、単一民族単一文化で培われた経済感覚は、外国人も日本人と同じように考え同じようにビジネスをすると考えて行動し、いまだに失敗を繰り返しているが、中国は、全く、この対極にあることを繰り返し繰り返し強調し注意を喚起している。 アラブ商人は、自分の商う商品を、如何に価値があり高いかを説得して、例え詭弁を使ってでも利幅を高くするのが商人の才覚であり能力であって、これに長けた商人が尊敬されると言われ、そんな文化の中でビジネスをしている。中国もそうだが、大体、値切ってモノを買わねばならない所は、この傾向が強く、迂闊に知らなかったとか、騙されたとかと言う論理は通用しない。 随分以前になるが中国が資本主義市場に門戸を開放し始めた頃に、市場調査を実施してカルチュアーショックを覚えた記憶があるが、この本を読んでいて、全く根本的に中国ビジネスはあの頃と変わっていないと思う。 合弁事業が容易に撤退できない等は、其の際たる物であろうか。 中国は、華僑の故郷であり、アメリカのような法律契約万能社会ではなく、どちらかと言えば、ラテン系のアミーゴ社会に近いと考えられるが、このアミーゴの仲間社会に如何に入り込むことが出来るかがビジネス成功の要諦。著者には、一般論は分かったので、次には、この点を掘り下げてご教授頂きたいと願っている。
ダイヤモンド社
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