株価モデルとレヴィ過程 (シリーズ・金融工学の基礎)



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株価モデルとレヴィ過程 (シリーズ・金融工学の基礎)
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難しい・・・

この本は幾何レヴィ過程についての概説書であるが、
専門家向けの啓蒙書として書かれている側面が強く、
多少不親切な点がある。

それでもなお、この本はファイナンス理論についてのホット・イシューについて、日本語で書かれた数少ない良書であることは間違いないであろう。
安定過程を前提にしてオプション価格が算出できる!

 本書はレヴィ過程に基づく株価モデルの解説書であるが、私は特に安定過程を前提にしたオプション価格の算出のところで興奮してしまった。株価の日次の対数リターンは良く知られているように正規分布よりは裾野の厚い分布をしている。そこで安定分布のほうが当てはまりが良いが、安定分布を使った分析はほとんど行われていない。なぜなら、安定分布はその裾野の厚さゆえに分散はおろか場合によっては平均も計算できないからだ。ところが本書は時間とともに安定分布が変化していく確率過程であるところの「安定過程」(レヴィ過程の一種)を前提にして何とオプションの価格を求めているのだ。使用される手法は「相対エントロピー最小化」の方法であり、これによって導かれる価格は指数型効用関数に従う市場参加者から見て下限の価格であることも示されている。また保険数学で使われるエッシャー変換との関係も説明されている。数理ファイナンスをひととおり学んだ者にとって大変興味深い内容だと思う。



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